「ChatGPTを使ってみたけど、なんだか的外れな答えが返ってくる…」 「AIにブログ記事を書いてもらいたいのに、全然イメージ通りにならない!」
AIという便利な道具を前に、そんな風にちょっぴり悔しい思いをしているあなた。 その気持ち、すごくよく分かります。せっかくの魔法の杖、どうせなら思い通りに使いこなしたいですよね。
でも、落ち込む必要は全くありません。 実は、AIと心を通わせるのには、ほんの少しだけ「コツ」がいるんです。
それが、今回ご紹介する「プロンプトエンジニアリング」という魔法の技術。
なんだか難しそうな名前ですが、安心してください。 この記事では、専門用語をできるだけ使わずに、「AIにあなたの想いを届けるための手紙の書き方」として、基礎の基礎から優しく解説していきます。
読み終わる頃には、AIがあなたにとって最高の相棒に変わっているはず。 さあ、一緒にAIを使いこなす冒険に出かけましょう!
そもそも「プロンプト」って何?AIへの「手紙」です
まず、「プロンプト」という言葉から説明しますね。 プロンプトとは、AIに対する「指示」や「お願い」や「これをやって」のことです。 まるで、あなたが誰かに宛てて書く「手紙」のようなものだと考えてみてください。
手紙を書くとき、相手に用件がきちんと伝わるように、言葉を選び、文章を組み立てますよね。 それと全く同じです。AIに「何をしてほしいのか」を伝える言葉、それがプロンプトなのです。
そして、この「手紙(プロンプト)」の書き方を工夫して、AIから最高の返事をもらうための技術こそが「プロンプトエンジニアリング」なのです。
なぜ「上手な手紙」が必要なの?AIの気持ちになってみよう
「なんでわざわざ書き方を工夫する必要があるの?」と思いますよね。 それは、AIがまだ、人間の「言わなくても分かるでしょ?」という気持ちを汲み取るのが苦手だからです。AIは空気を読むことができません。
例えば、あなたが友人に「何か面白い話をして」と頼んだとします。 友人は、あなたの好みや最近の出来事を知っているので、あなたが喜びそうな話題を選んで話してくれるでしょう。
しかし、AIに同じことを頼むと、「面白い話とは何ですか?」「誰にとって面白い話ですか?」と困ってしまいます。
なにげない、日常的な出来事なので見過ごしてしまいますが、友人は会って話をしたり、SNSなどでやり取りをすることで、あなたの情報を自然と受け取っています。しかし、AIの情報源はネットの中にあります。
例えば、あなたがヤマダハナコさんという名前で日記のようなブログを書いていて、こんなことが面白かった、あんなことが悲しかった、こんな出来事があった、あんな出来事があってこんな思いを感じたなどと、あなたの日常生活の様子や感じた気持ちなどの情報がネット上にあるとします。
その場合、AIにURLを特定して「このヤマダハナコさんが喜びそうな、面白い話をして」と指示を出せば、AIはネット上のブログからヤマダハナコさんの日常を学習して、要望に答えることができるでしょう。
或いは、友人と会話をするように、あなたの出来事や思った事や感じたことなどを、日頃からAIに報告していると、AIはあなたからの報告という情報を受け取っている為、あなたについて学習することができます。その場合「何か面白い話をして」というあなたの要望に答える事ができるでしょう。
AIは、あなたが伝えた言葉(プロンプト)だけを頼りに、答えを一生懸命探します。 だからこそ、私たちが少しだけ歩み寄って、AIが迷子にならないように、丁寧な「道案内」をしてあげる必要があるのです。
上手なプロンプトを書けるようになると、AIは驚くほど賢く、気の利いたパートナーに変身します。作業効率が上がり、まさに「魔法」のような体験ができるようになりますよ。

【今日から使える】AIに伝わる「魔法のプロンプト」5つのコツ
お待たせしました!ここからは、いよいよ実践編です。 AIへの手紙(プロンプト)を書くときに、ほんの少し意識するだけで、劇的に答えの質が変わる5つのコツをご紹介します。
コツ1:あなたは誰?「役割」を与えて専門家になってもらう
まず試してほしいのが、AIに「役割(roleロール)」を与えることです。 「あなたはプロの編集者です」「あなたは旅行プランの達人です」のように、AIになりきってもらう役割を最初に伝えます。
悪い指示の例:
来週、京都に行きます。おすすめの場所を教えて。
これだと、誰向けのどんな情報が欲しいのか分かりません。
良い指示の例(魔法のプロンプト):
あなたの役割:あなたは経験豊富な旅行プランナーです。
ターゲット・目的・条件:20代のカップルが、来週末に京都へ1泊2日の旅行に行きます。予算は1人3万円。美味しいものが大好きで、写真映えするスポットに興味があります。 この条件で、最高の旅行プランを提案してください。
どうでしょう?AIは「旅行プランナー」になりきって、具体的なターゲットに向けた質の高いプランを考えてくれるようになります。
コツ2:具体的に、もっと具体的に!「5W1H」を意識しよう
AIは曖昧な表現が苦手です。 「良い感じに」「適当に」ではなく、「いつ(When)」「どこで(Where)」「誰が(Who)」「何を(What)」「なぜ(Why)」「どのように(How)」という「5W1H」を意識して、具体的に指示を出しましょう。
悪い指示の例:
ブログ記事を要約して。
良い指示の例(魔法のプロンプト):
以下のブログ記事を、SNSでシェアする目的で、初心者にも分かりやすい言葉を使って、300字以内で要約してください。要点は箇条書きで3つにまとめてください。
(ここに要約するブログ記事のテキストを貼り付けます)
このように、目的や条件を具体的に伝えることで、AIはあなたの意図を正確に理解し、期待通りの要約を作成してくれます。
コツ3:お手本を見せてあげる「例示(Few-shot)」
AIに何かを分類させたり、特定の形式で文章を作らせたりしたい場合、お手本となる例をいくつか見せてあげると、AIの理解度が格段にアップします。 これを「Few-shotプロンプティング」と呼びます。
悪い指示の例:
この文章はポジティブ?ネガティブ? 「今日のランチはまあまあだった。」
良い指示の例(魔法のプロンプト):
文章が「ポジティブ」「ネガティブ」「ニュートラル」のどれに分類されるか判断してください。
例1: 文章: 「この映画、最高に感動した!」 分類: ポジティブ
例2: 文章: 「期待してたけど、内容はがっかりだった。」 分類: ネガティブ
では、この文章を分類してください。 文章: 「今日のランチはまあまあだった。」 分類:
お手本があることで、AIは判断基準を学び、より正確な答えを返せるようになります。
コツ4:ステップ・バイ・ステップで考えさせる
複雑なお願いをする時は、AIが混乱しないように、タスクを細かいステップに分解して、順番に指示するのが効果的です。 これは「Chain-of-Thought(思考の連鎖)」というテクニックにも繋がります。
悪い指示の例:
新商品のキャッチコピーと、その説明文、さらにSNS投稿文を考えて。
良い指示の例(魔法のプロンプト):
新商品「うるおい続くハンドクリーム」のプロモーションを手伝ってください。以下のステップで進めます。
□ステップ1: この商品のターゲット顧客(30代女性、乾燥肌に悩み)に響くキャッチコピーを5つ提案してください。
□ステップ2: 最も良いと思うキャッチコピーを1つ選び、その理由を説明してください。
□ステップ3: 選んだキャッチコピーを使って、商品の魅力を伝える200文字の説明文を作成してください。
□ステップ4: 最後に、その説明文を元に、Instagram用の投稿文を作成してください。ハッシュタグも5つ付けてください。
一つずつ着実にタスクをこなすことで、最終的に質の高いアウトプットが期待できます。
コツ5:「してはいけないこと」より「してほしいこと」を伝える
「〇〇しないで」という否定的な指示よりも、「〇〇して」という肯定的な指示の方が、AIは理解しやすい傾向があります。
悪い指示の例:
専門用語を使わないで説明して。
良い指示の例(魔法のプロンプト):
小学5年生にも分かるように、簡単な言葉で説明してください。
どうすれば良いかを明確に伝えることで、AIはあなたの望む方向へ進みやすくなります。
まとめ|プロンプトは、あなたとAIを繋ぐ「魔法の言葉」
ここまで、本当にお疲れ様でした。 プロンプトエンジニアリングの基本、いかがでしたか?
最初は少し難しく感じるかもしれませんが、大切なのは「AIに心を開いて、丁寧に話しかけてあげる」という気持ちです。 今回ご紹介した5つのコツは、すぐに試せるものばかり。
AIを「よく分からない機械」ではなく、「ちょっと不器用で、空気が読めないけれど、ものすごく物知りで素直なアシスタント」だと思って、ぜひ色々な「手紙(プロンプト)」を書いてみてください。
失敗したって大丈夫。AIは何度でも、あなたの言葉に耳を傾けてくれます。 試行錯誤を繰り返すうちに、きっとあなただけの「魔法の言葉」が見つかるはずです。
さあ、AIと共に、あなたの創造力を無限に広げていきましょう!


